揮発乾燥

塗料の乾燥のうちで最も単純でそれゆえ,問題点の発生しにくい乾燥機構である。代表的な塗料として,ラッカーエナメル,塩化ビニルエナメルそして,最近建築物の外壁等に用いられるアクリル樹指エナメル等があげられる。

この乾燥機構は,単純で塗料を塗装によって均一に塗り広げられた後に,塗料中の溶剤が大気中に蒸発し塗膜を形成するものである。

ゆえに,塗料中の諮剤はその種類によって蒸発の速度が異なり,塗膜中に1カ月以上も残留するものもあるが,実用上大きな問題もなく,施工上の管理は比較的に容易であり,温度,湿度の関係で低温においてでも施工が可能である。しかし,高湿度の施工は注意を必要とするなどのポイントを以下に示す。

① 高湿度時に施工する場合,塗料中の溶剤が蒸発する際に気化熱を求めるため,塗膜表面の熱が奪われ,温度が急に低下しその表面が露点状態になり,大気中の湿度が表面に結露を生じ,乾燥過程の塗膜の表面が光沢低下や色むらを生じたりするブラッシング現象を生ずる危険があり注意が必要である。

② 揮発乾燥形に用いる溶剤は,一般に溶解力の強い溶剤が用いられており,それには蒸発速度が早く,また,毒性の強いものが多く,施工中において乾燥が早すぎて塗装方法に制限が加わるものもあり,ラッカーエナメルのように最も乾燥速度の早い塗料は,ある程度,乾燥速度のコントロールが要求されるため,はけ,ローラ一等による塗装は困難で主にスプレーによることが多い。また塩化ビニルエナメルの場合のように塗装方法によってシンナーを使い分けるものもある。

③ 溶解力の強い溶剤が配合されているので,下塗りに用いられた塗料が油性系さび止めペイントのような塗料の場合,上塗りをすると溶解力の強い溶剤に侵され,縮み,ふくれ等の問題を生じる危険があり,必ず専用の下塗塗料を用いなければならない。

④ 揮発乾燥形の塗料は自然乾燥形の塗料の代表で常温乾燥形であるが,カーテンウオール部材等で加熱の可能な場合にこれら塗料を用いる場合に,80-100°C程度の温度で強制乾燥することにより,塗膜中の内部応力が緩和され,付着性が良好になったり,塗膜中の残留溶剤がなくなり,早期に目的性能を発揮し好結果を生むこととなる。

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